2005年全曲集

島津亜矢( 島津亞矢 ) 2005年全曲集歌詞
1.帰らんちゃよか

作詞:関島秀樹
作曲:関島秀樹

そらぁときどきゃ 俺たちも
淋しか夜ば過ごすこつも あるばってん
二人きりの 暮らしも長うなって
これがあたりまえのごつ 思うよ
どこかの誰かれが 結婚したとか
かわいか孫のできたて聞くとも
もう慣れた
ぜいたくば言うたら きりんなか
元気でおるだけ 幸せと思わんなら
それでどうかい うまくいきよっとかい
自分のやりたかこつば
少しはしよっとかい
心配せんでよか 心配せんでよか
けっこう二人で
けんかばしながら暮らしとるけん
帰らんちゃよか 帰らんちゃよか
母ちゃんもおまえのこつは
わかっとるけん

そらぁときどきゃ 帰ってきたり
ちょこちょこ電話ばかけてくるとは
うれしかよ
それにしたって 近頃やさしゅなったね
なんか弱気になっとっとじゃ なかつかい
田舎があるけん だめなら戻るけん
逃げ道にしとるだけなら 悲しかよ
親のためとか 年のせいとか
そぎゃんこつば 言訳にすんなよ
それでどうかい 都会は楽しかかい
今頃後悔しとっとじゃ なかっかい
心配せんでよか 心配せんでよか
父ちゃんたちゃ
二人でなんとか暮らしてゆけるけん
帰らんちゃよか 帰らんちゃよか
今度みかんばいっぱい 送るけん

心配せんでよか 心配せんでよか
親のために おまえの生き方かえんでよか
どうせおれたちゃ 先に逝くとやけん
おまえの思うたとおりに 生きたらよか


2.北海峡

作詞:中島光
作曲:原譲二

愛の渦潮 逆巻(さかま)く未練
海峡渡る 女の胸に
凍り付くよな しぶきが刺さる
捨てて来ました 悲しみは
遥か彼方に 見え隠れ
津軽の港 旅出(でた)ときに

今は引き潮 心も軋む
海峡越える 海鳥さえも
潮の流れに 戸惑うばかり
長い黒髪 切りました
もとへ戻れぬ 宿命(さだめ)なら
津軽の海を 何処までも

北へ走れば 波立つばかり
海峡染める 願い火遠く
釣瓶(つるべ)落としで 真冬の海へ
おんな片恋い ひとり旅
胸に花咲く 春はいつ
津軽の里へ 戻る日に


3.海で一生終わりたかった

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

甘い恋など まっぴらごめん
親のない子の 見る夢は
小さな貨物(カーゴ)に 乗り組んで
港々で 恋をして
海で一生 終わりたかった

五体(からだ)こわして 船から降りて
陸(おか)にあがった かっぱだよ
海原とおく 眺めては
無念残念 くやし泣き
海で一生 終わりたかった

海は海でも ネオンの海は
俺にゃちっとも なじめない
海には母が いるという
おとぎ噺を 追いかけて
海で一生 終わりたかった


4.夜桜挽花

作詞:荒木とよひさ
作曲:杉本眞人

あたしの中の 悪い子が
欲しい欲しいと またせがむ
口紅(べに)を噛み切り 投げつけりゃ
死んだふりして 夢ん中
夜桜(はな)よ散れ みんな散れ
あたしもあいつも みんな散れ
夜桜(はな)よ散れ みんな散れ
此(こ)の世も彼(あ)の世も みんな散れ
Ah…来世(こんど)は男になってやる

涙の粒が 月あかり
泣けよ泣けよと 数珠つなぎ
髪を洗って 素裸
波うつ寝台(ベッド)に 身を投げる
夜桜よ散れ みんな散れ
心も身体も みんな散れ
夜桜よ散れ みんな散れ
此の世も彼の世も みんな散れ
Ah…来世は男になってやる

夜桜よ散れ みんな散れ
あたしもあいつも みんな散れ
夜桜よ散れ みんな散れ
此の世も彼の世も みんな散れ
Ah…来世は男になってやる


5.道南夫婦船

作詞:星野哲郎
作曲:新井利昌

親に貰った この血の中を
熱く流れる 命潮
元へ辿れば 父と母
いつも元気で いて欲しい
熱い祈りを 波に浮かべて
仰ぐ心の アヨイショ 駒ヶ岳

荒れる海辺に 縋って生きる
北の漁師は 波の花
群れる鴎も 仲間衆
こぼれ秋刀魚を 分けながら
地球岬を 右に眺めて
今日もあんたと アヨイショ 網を刺す

浜の女房と 呼ばれるからにゃ
雪も氷も 恐れぬが
浮気されたら わしの恥
二つ合わせて 一になる
愛の人生 海に咲かせる
夫婦船だよ アヨイショ ほまれ船


6.波

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

寄せては返す 波また波を
あえぎただよう 木の葉舟
それが私の 人生ならば
一期一会(いちごいちえ)の 出会いを求め
夢という名の 舟を漕ぐ

雄たけびあげて 逆巻く波に
呑まれ叩かれ はいあがりゃ
板子一枚(いたごいちまい) 天国・地獄
明日(あす)の行方は 知らないけれど
風に向かって 舟を漕ぐ

大波小波 上げては下ろす
波に身をもむ 女舟
乗ればゆさぶる 外(はず)せば嘲(わら)う
泣くなくさるな 希望の二文字
胸にかかげて 舟を漕ぐ


7.おりょう

作詞:星野哲郎
作曲:村沢良介

燃えて火を吐く 男の夢に
惚れる女も 命がけ
華の友禅 桔梗の帯に
好きな 好きな龍の字
一文字入れて
影を支える…京おんな

「男まさりのおりょうが
初めておんなに生まれたしあわせを感じさせて貰いました
龍馬さま…あなたを好きになる女はみーんな私の仇です
誰も好きにならないで…
おりょうは あなたの血のひと滴となって…散りたいのです…」

加茂の川原を 流れる水は
人のさだめに 似て哀し
たとえ短い 月日であろと
好きな 好きなあなたと
結んだ契り
生きて甲斐ある…おんな町

「国が生まれ変わる為には
誰かが死ななくてはならないのですか…
春の嵐に散り急ぐ花の様に
命を惜しまずあなたも散ってゆくのですか…
龍馬さま…龍馬さま…」

龍馬いのちの 維新のおんな
散るを 散るを惜しまぬ
おりょうの心
月もご存じ…嵐山


8.おもいで宝箱

作詞:田久保真見
作曲:出田敬三

あの日の空を 覚えてる
見果てぬ夢の さみしさを
はげますような 阿蘇の山
おーいおーいと呼んでみよう
忘れられない 想い出がふり向くよ
おーいおーいと呼んでみよう
ここは火の国 ぬくもり宝箱

天草の海 日が暮れて
手と手をつなぐ やさしさで
今日から明日(あす)に 架ける橋
おーいおーいと呼んでみよう
数えきれない 想い出が手をふるよ
おーいおーいと呼んでみよう
ここは火の国 ほほえみ宝箱

風の河ゆく 雲の船
はるかな時の 旅人を
見守るような 熊本城
おーいおーいと呼んでみよう
語りきれない 想い出が輝くよ
おーいおーいと呼んでみよう
ここは火の国 おもいで宝箱

おーいおーいと呼んでみよう
語りきれない 想い出が輝くよ
おーいおーいと呼んでみよう
ここは火の国 おもいで宝箱


9.海鳴りの詩

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

五体に刻んだ 赤銅色(しゃくどういろ)の
シワが男の 五線紙だ
明るい娘に 育てたことが
冥土の母ちゃんへ でかい土産だと
笑う親父(とうちゃん)の 髭から背中から
海鳴りの詩が 聞こえてくる
ヤンサエー ヤンサエー

酒断(さけだ)ちしてまで 口説いた女
死んだあとまで 恋女房
世間の女が カボチャに見えて
ヤモメを通したね 男盛りをよ
いばる親父(とうちゃん)の 胸から腕(かいな)から
海鳴りの詩が 聞こえてくる
ヤンサエー ヤンサエー

母親知らずに 嫁いだ娘
無事に女房を してるやら
初孫祝って 酒のむまでは
倒れちゃなるまいと 波に揺れながら
力む親父(とうちゃん)の 舟から帆綱から
海鳴りの詩が 聞こえてくる
ヤンサエー ヤンサエー ヤンサエー


10.都会の雀

作詞:吉岡治
作曲:杉本眞人

雀 雀 都会の雀
雀 雀 夜明けの雀

飾りまくった ガラスの街に
サイレンばかり 駆けぬける
呼ぶ名もなくて 倒れた道で
バカな涙が あふれて熱い
雀 雀 都会の雀
眠れないのか 寒風(さむかぜ)で
雀 雀 俺ンち来いよ
あったか西日の 裏窓に

夢のかたちも あいつのことも
生きてくうちに 脱け落ちた
そのうちケリは 必ずつける
バカな希(のぞ)みが からだに悪い
雀 雀 夜明けの雀
飛べる蒼空 あるのなら
雀 雀 俺ンち来いよ
朝日が弾ける 裏窓に

雀 雀 都会の雀
眠れないのか 寒風で
雀 雀 俺ンち来いよ
あったか西日の 裏窓に 裏窓に


11.娘に…

作詞:吉幾三
作曲:吉幾三

幸せに なるんだよ 二人してきっと
涙拭き 笑い顔 絶やさずいいな
母さんと話したか 女ゆえ努め
甘えたか ありがとう さよなら言ったか
寒い北の はずれ町
体こわさず 達者でな
みんな想い出 持って行け
写真一枚 あればいい

背中より でかかった 赤いランドセル
雨の中 泣いていた 学校帰りよ
夢だった二十年 ありがとう我が娘(こ)
長い旅 疲れたら 時々帰れ
明日(あす)の朝まで 飲んでるよ
別れの朝だ 起こしてくれよ
みんな想い出 持って行け
写真一枚 あればいい
写真一枚 あればいい…


12.愛染かつらをもう一度

作詞:星野哲郎
作曲:新井利昌

花と嵐の 青春を
涙と共に 生きるとき
父さんあなたの 主題歌だった
古い艶歌が わかります
いつかいっしょに 唄いましょうね
愛染かつらを もう一度

灯りさざめく 東京の
日暮れは夢の 吹き溜まり
父さん私は あなたの娘
負けはしないと 唇を
噛めば心に 聞こえてきます
愛染かつらの あの歌が

真実(まこと)つくした男道
破れたけれど 悔いはない
俺にはかわいい おまえがいると
酔えば口癖 お父さん
どうぞ元気で 唄ってほしい
愛染かつらを いつまでも


13.憂き世春秋

作詞:新本創子
作曲:三島大輔

風が頬うつ 雨が泣く
あなたの背中に 隠れて越える
憂き世春秋 ふたり坂
いのち連れ添う しあわせに
賭けて悔いない 女です

いつかあなたの 胸に咲く
雪割り草だと 云われてみたい
憂き世春秋 ふたり坂
こころ寄せあい 寒い夜は
ともに飲みたい このお酒

苦労ひとつに 夢がある
笑顔をあなたと たやさずいたい
憂き世春秋 ふたり坂
花の咲く日へ 七曲がり
明日を信じて 生きてゆく


14.感謝状~母へのメッセージ~


15.美保関潮歌

作詞:星野哲郎
作曲:弦哲也

小さな入江に 肩よせ合って
小さな町が 息づいている
関の五本松 一本伐(き)りや四本(しほん)
あとは伐られぬ 夫婦松
心温(ぬく)める 船唄の
唄の向うに ショコホイ ショコホイ 美保関

焼きイカ肴(さかな)に 地酒を酌(く)めば
のれんをくぐる 潮風甘い
呼ぶな急(せ)かすな 出船の汽笛
隠岐(おき)は島国 逃げはせぬ
酒のうまさに ついほろり
酔って帰りを ショコホイ ショコホイ 忘れても

元気でゆこうと 海猫(うみねこ)啼けば
しぶきの虹が 岬を染める
関はよいとこ 師走の海を
寒くないのか 諸手船(もろたぶね)
神が選んだ つわ者が
水をかけあう ショコホイ ショコホイ 美保関


16.演歌桜

作詞:新本創子
作曲:三島大輔

生まれ火の国 あとにして
たどる炎の 歌の道
親のこころを 胸に抱き
越える苦労の 幾山河(いくやまかわ)よ
演歌一節 アンアアンアンアン きかせます

雨は降る降る 陣羽は濡れる
越すに越されぬ 田原坂

海は不知火 燃える波
夢をゆさぶる 阿蘇の山
花も嵐も くぐりぬけ
恋のつらさは この身の艶(つや)に
歌は真実(まこと)の アンアアンアンアン 亜矢節さ

肥後のもっこす ご贔屓(ひいき)に
声も千両の 晴れ舞台
人の情けを ふところに
音頭とる手に 桜も咲いて
演歌一筋 アンアアンアンアン たのみます